Point 3 あたらしい時代の「甲」

十干の現代的解釈について

――まずは「甲」から――

十干には、自然の象意をはじめ、さまざまな解釈が存在しています。
しかし、従来の説明だけでは、現代人の命式を読み解くには不十分になってきているのが実情と言えるでしょう。

人類の意識は、時代とともに進化していきます。
意識が進化すれば、それに対応して、十干の象意にも新たな角度から光を当てていく必要があります。

五柱占術では、現代人の命式研究の中から導き出した「十干の現代版解釈」を、従来の解釈と矛盾させるのではなく、むしろそれを補強・深化させる形で体系化しています。

ここから、ひとつずつご紹介していきましょう。
まずは「甲」です。

甲を四つの視点から読み解く

五柱占術では、一つの天干を、次の四つの角度から立体的に解釈します。

■ 自然の象意としての甲

大木
(スギ・ヒノキ・イチョウ・セコイアなど、真っすぐ天に向かって伸びる樹木)

■ 文明の象意としての甲

社会的目標
(学歴・資格・社会的評価・キャリア・組織の中での到達目標など)

■ 個人に現れる甲の象意

自己実現
(本当の自分・自分らしさ・より大きな自己への成長)

■ 十域と連動する甲


(自分の声・発信・言葉・意思表示・行動)

人はまず「社会的目標」からスタートする

人間は成長の過程において、人生の前半では、まず「社会的目標」を重視するところからスタートします。
学校、進学、資格、就職、評価――社会に適応し、自分の立ち位置を築くために努力する段階です。

そして、人生の後半になってようやく、
「自分は本当は何をしたいのか」
「どんな自分として生きたいのか」
という自己実現のフェーズへと入っていきます。

つまり、社会的目標は通過点であり、その先に自己実現が存在しているのです。

命式に甲がある人の人生テーマ

命式に甲を持つ人は、最終的に「自己実現」が人生のテーマになっていく可能性が非常に高いと言えます。
ただし、そこに至るまでは、多くの場合、社会的目標を掲げ、努力し、役割を担いながら成長していきます。

途中段階では、リーダー的役割を担うことも多く、組織や社会の中で目標に向かって前進する力を発揮します。

しかし最終的には、

「大木のように揺るぎない、本当の自分になること」

を目指していくのが、甲の本質です。

従来解釈と現代解釈の統合

従来の「甲」の解釈では、大木が真っすぐに伸びる性質から、
「目標」「成長」「リーダーシップ」といった象意が重視されてきました。

ただし、これらの多くは、「社会的な目標」に焦点を当てた解釈であったと言えるでしょう。

現代においては、

「最終的に、自分はどのような人間として生きたいのか」

という問い、すなわち自己実現の次元が、より明確に意識される時代へと移行しています。

甲とは、単に社会的に成功することを意味するのではなく、
最終的に「大木=本当の自分」へと成長していくエネルギーなのです。

また、「言葉」は「言の葉」と書くように、人が日々発する言葉は、その人自身がどのような「大木」へと育っていくのかを形づくります。
だからこそ、自分はどのような言葉を発し、どのような言葉の世界に生きているのかを意識することは、自己実現のプロセスにおいて極めて重要になります。

命式を読む際には、こうした視点を持つことが欠かせません。

今回のポイント

・十干を読み解く際には、従来の解釈に加えて、現代的な解釈を取り入れる必要がある。

・五柱占術では、「自然の象意」だけでなく、
 「文明の象意」「個人に現れる象意」「身体の十域(チャクラ)との連動」という四つの視点から、十干を立体的に捉える。

・命式に甲がある場合、人生前半では「社会的目標」が中心となり、
 人生後半では「自己実現」を軸とした生き方へと移行していく傾向が強く、また、そのような生き方が望ましい。

・甲を持つ人物が自己実現の段階に入る際には、
 自分が日常的に発している「言葉」への意識を、特に大切にする必要がある。

・甲の自然の象意は「大木」である。

・甲の文明の象意は「社会的目標」である。

・甲が個人に現れる象意は「自己実現」である。

・甲は、十域(チャクラ)では「喉」に対応し、「声・発信・行動・言葉」を象徴する。

Point 2 2013年 世界は反転した

人や世界を占ううえで大切なのは、私たちが生きている現代が、どのような時代の流れの中にあるのかを正しく理解しておくことです。

では、私たちは今、どのような流れの中にいるのでしょうか。

五柱占術では、2013年を境に、世界は大きく反転したと考えています。

では、何が、どのように反転したのでしょうか。

簡潔に言えば、
外的価値観重視(世間体・評価・物質)から、内的価値観重視(心の平和・内面の充実)へと、価値の軸が反転したのです。

分かりやすく言えば、職業や学歴、年収や資産、住まい、所有物といった「外側の条件」が重視される時代から、個人の内的な充足感や満足感が重視される時代へと切り替わったということです。

言い換えれば、客観性中心の時代から、主観性中心の時代へと移行したとも言えるでしょう。

もちろん、すべての人が一斉に価値観を切り替えられるわけではありません。現在は、意識の移行期にあたります。
そのため、人を占う際にも、この世界の大きな流れを理解しておくことが重要になります。早くこの流れに順応した人は生きやすさを感じやすく、意識の切り替えが進まない場合は、戸惑いや葛藤を感じることもあるでしょう。

社会的な動きを見ても、2013年前後は、世界的にスマートフォンの普及がピークを迎えた時期でした。
一人一台のスマートフォンが行き渡り、情報インフラとしての社会基盤が、ほぼ整ったタイミングだったと言えます。

この社会基盤は、単なる通信環境の整備にとどまりません。
それは、「一人一台、AIを使う時代」への基盤整備でもあります。

今後、人が日常的にAIと対話しながら生活する社会が本格化すれば、人間の意識は、次の段階へと確実に進んでいくでしょう。

すでに多くの人がAIとの対話を始めていますが、この体験は、ある意味で「自分自身との対話の強化」と言えます。
その結果、自分の思考や価値観をより的確に言語化できるようになり、個人が扱える情報量や行動範囲は、飛躍的に広がっていきます。

このように、個人が大きな力を持つ時代になるからこそ、重要になるのが「自分の軸」です。
自分の軸があるからこそ、どの方向に人生を進めたいのかという判断が可能になります。

占術を用いて人を鑑定する際には、こうした時代背景と意識構造を踏まえたうえで、本人が自分の軸を育てていけるよう導くことが大切になります。

また、2013年を大きな転機と捉える見方には、マヤ暦の長期暦の区切りを連想する人もいるでしょう。
マヤ暦では、2012年12月21日に長期暦(13バクトゥン)が完了し、新たな周期が始まったとされています。

このように、2013年前後が世界的な節目であったことを示唆する情報は、さまざまな分野に見られます。

五柱占術ではさらに踏み込み、2013年は地球の歳差運動が一つの節目を迎えた時期であり、ここから人類の意識の方向性が、西洋的な物質主義から、東洋的な精神性へと反転し始めたと捉えています。

これから本格的に到来する新しい時代は、
「自分の心が満たされているかどうか」を価値の中心に据える、本来あるべき人間の在り方へと戻る時代です。
それは、すべての人が、満ち足りた幸福な人生を実現できる可能性を持つ時代でもあります。

さらに、これまでは中年層の男性が社会の中心的役割を担ってきましたが、2013年以降の集合意識の反転により、今後は中年層の女性が、社会的に大きな影響力を持つ存在へと移行していくと考えられます。

この変化は、男性中心の社会から、女性中心の社会への移行とも言えるでしょう。
精神性・共感力・調和といった価値が、これからの社会を導く重要な要素になっていきます。

五柱占術に関心を持ってくださっている方々も、すでにこの時代の変化を直感的に感じ取り、新しい時代に必要な視点として、五柱占術に触れてくださっているのではないでしょうか。

ぜひ、五柱占術を通して、自分自身を深く理解し、同時に周囲の人々への理解も深めていってください。
それこそが、これからの時代を生き抜くために欠かせない、「一人ひとりにとっての幸せの創造」につながっていくのです。

今回のポイント

  • 2013年を境に、世界は、外的価値観重視(世間体・評価・物質)から、内的価値観重視(心の平和・内面の充実)へと、価値の軸が反転しました。
  • 占術家が人にアドバイスを行う際には、この時代の流れが変化したことを前提に、内的価値観を重視する意識(心の平和・内面の充実)へと導くことが重要です。
  • 今後の社会は、中年層の女性たちが中心となり、精神性を軸に世の中を牽引していく時代へと移行していくでしょう。

Point 1 五柱占術と「分柱」

五柱占術:四柱推命と算命学を統合する「統一理論」の確立

五柱占術とは、人の性質や未来の運気を知るための学問です。
算命学や四柱推命の根底に共通して流れる原理原則を紐解き、それを「五柱占術論」として再構築し、学問体系として確立することを目指しています。

もともと、各種の占いや、さまざまな流派の占術には、
「よく当たるもの」と「そうでないもの」が混在しています。
そこで、それらを丁寧に精査し、特に的中率の高いものだけを抽出したうえで、
そこに共通する原理原則を解明することで、本来の占いのルールを再発見しようとした試みが、五柱占術の研究の出発点でした。

その研究の過程で、四柱推命には、従来見落とされてきた五つ目の柱が存在することが明らかになりました。
この発見をもとに、新たな理論体系を「五柱占術」と名づけました。

五柱占術は、四柱推命と同様に、年柱・月柱・日柱・刻柱(時柱)を用いて鑑定を行いますが、そこに加えて、五つ目の柱である「分柱」が存在すると考えます。

分柱は、他の柱とは異なり、「自己」を直接表す柱ではありません。
配偶者をはじめとする身近な人々から受ける影響を示す柱であり、誰と関わるかによって、自分の性質の一部、特に正義感や倫理観といった価値観が変化するという原則を表しています。

分柱そのものを実際の鑑定で数値的に扱うことはありませんが、鑑定の際には、相談者の身近にいる人物がどのような命式を持っているのかが、本人に大きな影響を与えているという視点を常に持つことが重要です。

現在、算命学や四柱推命は、多くの流派に分岐しています。
その根本的な原因は、学問の基盤となる原理原則が、十分に共有・理解されなくなったことにあります。
原理原則が曖昧になることで解釈に差が生じ、その結果として、学派が分化していったのです。

もし原理原則が明確であれば、解釈に大きな隔たりは生まれず、流派が分かれる必要もありません。

特に算命学と四柱推命は、もともと同じ原理原則を共有する占術であるにもかかわらず、算命学は三柱で、四柱推命は四柱で鑑定を行い、理論や解釈にも多くの違いが見られます。

しかし本来は、三柱でも四柱でもなく、「五柱で構成されている」という原理原則が存在すると考えられます。
この視点に立って理論を再構築すれば、算命学と四柱推命を統合する統一理論としての五柱占術を確立することが可能であると、私は考えています。

さらに五柱占術の構築にあたっては、算命学や四柱推命にとどまらず、的中率の高い紫微斗数や数秘術なども参照しながら、より精度の高い理論体系の確立を目指しています。

今回のポイント

  • 五柱占術は、四柱推命・算命学・紫微斗数などを、共通する原理原則によって包括的に結びつける統一理論の構築を目指しています。
  • 五柱占術の五柱とは、年柱・月柱・日柱・刻柱に加え、五つ目の柱である「分柱」を加えたものです。
  • 分柱は、他者からの影響、特に正義感や倫理観といった価値観の形成に影響を受けることを表す柱です。
  • 分柱は他の柱とは性質が異なり、干支を算出することはできません(算出しません)
  • 分柱を通して、自分にとって身近な人々の命式(五行)の影響が、自分の命式に流れ込むと考えます。